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発掘インタビューシリーズ・・・
某誌の取材のノーカット版。ガレージ男の魂時、結構編集されたヤツが掲載されたんだけど、編集前のものをメールでこね太郎さんから送ってもらったので・・・アップします。
一年半ほど前の話だけど・・・今のところここで話してるとこからはずれずに来てるかな。 もうマイクを置くのか・・・はNASの新作で「あいつらはどこ行った」って形で出てきたけど、ブラックシープ復活でやや沸きなタイミングでしっかりブラックシープも「どこ行った」組に入ってたね・・・ 『ガレージ男の魂』発売時、2005年7月の取材。ほぼノーカット版の前編。 インタヴュー:こね太郎 ガレージ男の魂 【親方が語るレーベル経営のリアルな話!】 ● レーベルがスタートしてから約1年半、恐ろしい勢いでカタログも増えて。 ○ そうですね。たった1年半の間に9タイトルのアルバムが出るっていう(笑)。 ● レーベルらしい体裁がだんだん整ってきて、制作のノウハウも固まってきたんで は? ○ まあ何をやるにしてもそうなんですけど、他がやってないところに目を付けて潜 り込んでいこうっていうのは、ラップをやるにしてもビート作るにしても同じ視点で やってるから。千円っていう価格、このリリース・ペースもそうだし、全く誰も知ら ないような新人をアルバム・サイズでいきなり全国に並ばせるっていうのも、誰もやっ てないでしょ? みんなだいたい二の足を踏むけど、むしろそういったリリースをし ていきたいっていう欲求があって。現場でちゃんとライヴもやれてて、作品を作る情 熱もあって……っていう人達だったら、どんどん出していいんじゃない?っていう。 あとは受け手の問題だから、買う人がいなかったら、それはそれで終わるわけだし。 その辺、りんごなんて最初は目も当てられないようなオーダー数でね(笑)。「これ が現実か……」と思ってたんですよ。それが3週間後には売り上げが10倍に伸びて。 渋谷の大型店が試聴機に入れてくれたら、1日40枚、50枚とか売れちゃって。見ず知 らずのアーティストでも、千円っていう価格がきっかけで手に取って聴いてみるって いうところまでつながっていくし。そこで気に入ってくれれば買うわけで。同じ土俵 に上がるための手段としては、みんなが四苦八苦して「どうやろう?」って言ってる ところを、ガツンと飛ばせたかなってのもあって。“常々動いてる”っていうイメー ジを出していくレーベルとしては、この1年半で名前の浸透度とかも含めて、いい感 じかなと思うんですけど。 ● ビジネスとしての成果は、ぶっちゃけどうなの? ○ 全タイトルかなりいい感じで、常に売れ続けてるおかげで、次の作品を作る余裕 がプールできて。もうすぐDVDを出すんですけど、そうやって貯まったお金でTシャツ を作ったりもできるようになりましたね。基本的に利益が出ても次の作品に充てちゃ うんで、完全に自転車操業なんですけど。ピタッと何か動きが止まったら、その瞬間 に全部が止まる(笑)。次の手、次の手って三つくらい先の手を計算して、ある程度 そこでこれくらいの売り上げが上がるだろうって見越してしていかないとダメだし。 ● 所属アーティストへの収支報告もあなたがやってるんでしょ? ○ もちろん。売り上げ枚数も一ケタ単位でちゃんと提示して、アーティストごとに 「君はPVにいくらかかりました」「看板作っていくらかかりました」とか、きっちり 報告しますよ。そこを全部闇の中に入れておけば、会社的にはおいしいんだろうけど (笑)。実際、自分の労働量をお金に換算したら全然赤字だと思うんだけど、まぁ別 に嫌なことやってるわけじゃないから、そこはいいんじゃないっていう考え方で。 【非常にくだらない話をよりかっこよく】 ● 前作の『GAREAGE FUNK THEORY』がアイディアをドクッと吐き出した感じだった のに比べると、『ガレージ男の魂』は整合感のある構成ですよね。これだけ雑多にい ろいろブチ込んでおきながら、非常にバランスがいいなあと思って。 ○ 前作はわりと勢いでガーっとやったし、アルバム一枚で一個の表現って感じだっ たんですけど。今回はそれが10個に分かれてるくらいの感じで。他の人達のアルバム をやる間に作っていったから、その曲を作ってるタイミング、タイミングでモードが 違ってましたね。あと、旅行に行ったり何だったりっていう日々の色んな出来事を歌 詞に書いていけば、普通に毎日生きてるだけで曲が出来ていくなって思い立って。 ● テーマの取り方がブルースマン的だよね。 ○ ブルースっていうものに触れる機会が増えたっていうのも大きいです。それこそ ブルース100周年の節目の年に、俺もこれを作ってたっていうのがあるから。はから ずも影響を受けてたんだろうけど。ブルースマンのテーマ取りの仕方っていうのが、 中学、高校くらいの時には全部一緒に聴こえたんだけども、いざ歌詞の内容がわかっ てみたり、実際にライヴを観たりとかすると、非常にくだらない話をよりかっこよく 歌ってたり、ベトナム戦争の話とかを実にくだらなく歌ってたり、当たり前な感じっ ていうのがいいなって思って。「あの子のつけてるさくらんぼのイヤリングか可愛い」 とかっていうので1曲とか……その軽さが凄くいいなと思ったし。日常の些細なこと からビートとライムに反映していけば、一年にアルバム一枚作るのなんて余裕だなっ て……そのペースをつかむと、凄い楽に曲が出来ていきましたね。 ● そんな中でもエッジのある言葉がたくさん入っててね。もうマイクを置くのか、 とか……これ言っちゃったら、すごく耳が痛い人はたくさんいるでしょう。 ○ 単純に、同世代のヤツで(ラップを続けてるやつが)減ってるっていうか。まだ 音楽がらみの仕事をしてりゃいいんだけど、してないと聴くことすらしなくなってる ヤツもいるし。一緒にラッパーだとかDJだったりをしてたやつらが、何でやめちゃう のかなっていう……。どうにもならない理由があるんだったらいいですけど、理由は いくらでもありますよっていうか……色んな選択肢に立った時に、諦める理由ってい うのが、単純に成功を目指して音楽に入ってそれが「難しい」とか、そういったチャ ンスがなくて「恵まれなかった」っていう場合が多くて。ダメレコをやってる理由の ひとつとして、「そんな理由でやめるっていうのは無しにしたい」っていうのがあっ て。何かしら音楽に対してエネルギーを向けてる人は、それが形になって、自分なり に満足いくような状態で回っていく世の中にしたいんですよ。俺らがやり始めた時に は、どこかのレーベルに拾ってもらわない事にはリリースできなかったし、そういう ところであきらめてやめてったヤツっていっぱいいて。じゃあ、やめてったヤツがみ んな才能なかったりするかっていうと、そんな事はなくて、むしろ今やってるヤツら よりラップがうまかったヤツもいるし、DJうまかったりするのもいるんだけど、何故 かダメだったりして。でも、おもしろいことならまだまだあるし、本当にやり切った ヤツは1人もいないと思うんですよね。やり切った顔をして「俺の役割は終わった」 とか、「あとは若い奴に任す」とか言ってる場合じゃないでしょ!っていうのがすご くあって。そういう意味では、誰もレーベルなんかやらなそうだし、どうせなら俺が やっちゃおうかって。俺ももう28歳だから……このアルバムにしてもそうなんだけど、 年相応の表現っていうか……例えば俺が爺さんになったら、チャリンコに乗って焼き 鳥屋に行くことを歌ってなきゃだめだと思うし。死にそうになったら、昔死に別れた 恋人の事でも歌ってなきゃダメだと思うんですよ。40歳になってもイケイケの、それ こそ昔からずっと変わらない内容……まあラモーンズだったらラモーンズでもいいん ですけど。結局、新しく出てきた人達が表現していく内容っていうのは、その“時” のことを言っていかなきゃダメだと思うし。逆に35歳の人に歌える事っていうのは18 歳には歌えないわけだから。そういう勝負の仕方でいいと思うな。それも、みんなや る勇気がなくて辞めていくっていうか……。歯痒いです。 (後編に続く)
by darthreider
| 2007-01-02 19:41
| 音楽・曲解説!!
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